小麦が育つまで

9月に入ると小麦の種まきが始まります。「えっ、何で大豆の畑の上から小麦の種を播いているの?」と驚かれた人もいるかもしれません。これは立毛間播種(りつもうかんはしゅ)と言って、収穫前の作物条間に次の作物を播種し、間作をすることによって弊社の場合、三年四作あるいは二年三作(大豆ー小麦ー蕎麦)が可能になる方式なのです。

例として図に示すのは、北東北における大豆-小麦の立毛間播種栽培の概念図です(農研機構ホームページからの引用)。大豆収穫の約1か月前に畝間へ小麦を播種することにより、二毛作が可能となります。現在、わが国の農産物に対しては、生産コストの大幅な引き下げが求められていますが、土地の生産性を上げれば、その分生産コストを引き下げることができます。立毛間播種は、作付け回数を多くする(二毛作)だけでなく、播種の前工程である耕起や整地砕土を省くことができるので生産コストを抑えることができるのです。

また、大豆の葉が地面に落ちていくことにより、これが覆土(ふくど)の代わりにもなります。種には嫌光性といって、明るいところよりも薄暗い環境のほうが発芽に適しているものが多く、雨や灌水などで種が流れてしまうのを防いだり、小鳥や虫、ナメクジなどによる食害を防ぐといった覆土の効果があります。良いところづくしですね!

一面、小麦畑です!壮大ですね。6月の小麦畑です。

小麦の花。ぽつぽつと白いものが見えます。

これが小麦色!そろそろ収穫か?!

麦の収穫適期幅は短く、適期を外れると品質が著しく低下していまいます。また、収穫期は降雨の多い時期(7月初め)です。迅速に収穫作業を行うためには、圃場での観察による収穫適期の予測と天気予報を参考に十分な準備と計画的作業を行うことが必要です。

小麦畑もきれいな小麦色となって、いよいよ収穫の季節を迎えようとしています。当社の整備課もコンバインの整備を行い、準備万端です。耕作面積が5ha以上の大規模農家は国内農業市場の6%を占めるそうですが、この市場では農業機械に対して農作業の効率化を進めるために、高精度・高能率な作業性と高い耐久性が求められます。下の写真はドイツのクラース アベロといって、大規模農業では威力を発揮する大型のコンバインです。岩手県内で所有しているのは当社だけだそうです。

このコンバインで小麦の収穫作業を行う大面積の圃場では最も効率よく収穫が進みます。一気に刈り取っていく姿は壮大そのものです!銀河のちからはパンに、ネバリゴシは麺に向いていると言われています。きっと、今年も良い小麦が収穫できるでしょう!

収穫した小麦も水稲と同様に乾燥・調製を行います。左の写真は小麦を選別しているところです。乾燥させ含水率を下げ選別することにより、貯蔵の安全性を高めるだけでなく、品質の劣化を防ぐことや出荷時期を調整することができます。乾燥が終わると調製にかけます。異種穀粒や異物混入があると品質低下の原因になるので注意して粒選別機や色彩選別機にかけます。出荷前に水分を確認し、適正水分を超えている場合は再乾燥をかけます。

 

もうすぐ、収穫した小麦の出荷です!写真は「ネバリゴシ」の小麦です(弊社直営店では冷麺に使われています)。