農業WEEK

幕張メッセで農業WEEK(国際次世代農業EXPOや国際6次産業化EXPOなど)が開催され、見学してきました!このイベントは日本最大の農業・畜産の総合展です。

高齢化、働き方改革、農作業の負担軽減、地球の生態系の持続可能性と農業を取り巻く環境は課題が多いのですが、クラウド型営農支援サービス、ドローンやロボット農機を活用したスマート農業の展示が目立っていました。多様なデータをセンサーネットワーク等で収集し、サイバー空間で大規模データ処理技術等を駆使してAIが分析/知識化を行い、そこで創出した情報/価値によって農業の活性化や課題の解決を図っていくという大きな流れがあります。これまではハードウェアが多くの製品価値を生み出していましたが、今後はソフトウェアやデジタルテクノロジーが価値を生み出す要素となります。セミナーではJA全農のスマート農業の取組みを聴きましたが、IoTは生産者協同組合の形で団結し、新しい分散型・協働型のコミュニケーション/エネルギー/輸送形態で可能になった水平型の力の利点を生かすことができれば多くの小規模農家に有利に働いていくのではないかと思いました。畜産IoTクラウドサービスも家畜にセンサータグをつけて一頭ごとの管理を行い、AIによる行動モニタリングで発情だけでなく様々なトラブルの未然防止を果たすべく予兆を察知すれば予測アラートを出すなどの進化をみせています。こういった知の集積、活用は加速度的に進むと思います。また、生販一体型モデルの6次産業の先駆けとなり、「塚田農場」や「四十八漁場」といった飲食店を全国で200店舗以上展開し、EC、外販、弁当、海外事業まで手掛けるエーピーカンパニーのセミナーが非常に印象深かったです。卸問屋を挟んだ流通構造で価格が高くなり、市場にはなかなか出回らず、産地が頭を抱えている状況を自分たちで農業や漁業の生産から加工処理・物流・流通、店舗での販売に至るまですべてを一貫して携わるビジネスモデルで地域活性化に貢献し、生産者も消費者も皆が幸せになれる構造に変革した成功のカギが農畜水産物やメニューの「おいしい理由」が言葉に落とし込まれ、それをお客様に伝える努力を惜しまなかったことにあったという話は目から鱗が落ちるような思いで聴きました。全国に眠る素材・地元でしか知らない食べ方を発掘、一番おいしい状態で食べていただけるメニューを開発し、「おいしい理由」を明確にしてお客様にしっかりと伝える。生産側は生産するだけでなく、大事に育てた農畜水産物がどのように食べられているか実際に店でみること、販売側は販売するだけでなく、実際に生産現場をみること、お互いに定期的にコミュニケーションを行うことが重要とのことでした。ICT活用の農業、6次産業化、植物工場など、農業を強くするための次世代の技術・サービスや取組みの話が一堂に会する展示会やセミナーを見聞して、様々な刺激を受けましたが、これらを自分の仕事につなげていかなければならないと思いました。