炊飯器選びのポイント

家で食べているごはんが美味しいと感じられないあなたへ

おいしいごはんの秘訣は炊き方にあります!

おいしいお米にこだわるのと同様に炊飯器にもこだわりを!

炊飯器といえば、毎年さまざまな新機能を備えた新製品が登場する家電。流行の移り変わりが比較的早いので、「どの製品を選ぶべきかわからない」とお悩みの方も多いでしょう。炊飯器を選ぶ際には、製品ごとの機能や用途をしっかりと比較した上で、各シーンで最適なものを選ぶことが大切です。また、メーカーごとに製品の特徴が異なるので、各メーカーの情報収集もポイントになるでしょう。

適した炊飯器は家庭ごとに異なります。家庭の人数や作る料理、設置場所などを踏まえたうえで、使用シーンに適した製品を選ばなければなりません。では、具体的なポイントはどのようなものか以下に見ていきましょう。

 

1.炊けるお米の量

一度に炊けるお米の量は、炊飯器選びで欠かせないポイントです。少なすぎると一日に何回も炊く必要がありますし、大きすぎると設置スペースに悩まされてしまうからです。また、一度に炊く量を踏まえて、「おいしくお米を炊けるサイズ」も着目したいところです。機種によっても異なりますが、実は最大量でお米を炊くとべちゃべちゃしたお米になりやすいとされています。「おいしくお米を炊きたい」と考えている方は、以下のサイズを目安と考えてみましょう。

最大3合の製品は1~2合のお米で炊く

最大5合の製品は3~4合のお米で炊く

最大1升の製品は6~8合のお米で炊く

 

また、炊けるお米の量を決める際には、家族構成などの状況を意識することも大切です。余計な手間を増やさないためにも、以下のように家族構成の合数の目安もしっかりと確認しておきましょう。

・一人暮らしは、3合

・夫婦2人は、3合

・4~5人の一般家庭は、5.5合

・6人以上の二世帯は、5.5合~1升

2.タイプ(加熱方式)

炊飯器はタイプ(加熱方式)によって、お米の炊き上がりに違いがあります。そのため、「好みに合ったお米を炊きたい!」と考えている方は、以下の加熱方式による違いも確認しておきましょう。

 

IH炊飯器:熱の伝わり方にムラがないので多くのお米を炊いても全体がしっかりと炊き上がります。

 

マイコン炊飯器:IH炊飯器に比べると内釜への熱の伝わり方は弱い傾向にありますが、商品ラインアップが豊富なうえにお手頃な価格の製品が多いといった魅力があります。

 

ガス炊飯器:かまど炊きに近い炊きあがりになります。

3.炊飯方式

お米のおいしさにこだわりたいのであれば、炊飯方式も見逃せないポイントです。

 

圧力方式:お米の芯までしっかりと火がとおります。近年、多くのIH炊飯器が圧力方式を採用してきています。

 

スチーム方式:お米の乾燥を防ぎながら炊飯できるので、歯ごたえのある炊き上がりになります。さらに、高温スチームは保温時にも利用され、保温によるお米の劣化を防いでくれます。

 

超音波方式:お米の甘みが引き出されやすい方式なので、「食感だけでなく味にもこだわりたい!」という方にはピッタリでしょう。

4.内釜の素材

炊飯器の内釜は、使用される素材によって「熱伝導率」が違います。つまり、素材ごとに炊き上がりの状態が変わってくるので、炊飯器選びでは素材もしっかりと確認しておきましょう。

 

:発熱性や蓄熱性、断熱性が優れている素材です。内釜が高火力となるので、お米の芯までしっかりと熱を通します。南部鉄器を使用してかまど炊きの長所を追求した炊飯器も出てきています。

※南部鉄器:水沢地方(奥州市)では、約900年前に奥州藤原氏が鋳物師を招き、主に日用品を製造したと言われており、デザインや鋳型作り、溶解鉄の鋳込み、着色など50~70の工程があります。

 

:熱伝導率が高い素材です。内釜全体に均一に熱が伝わるので、素早くお米を炊き上げるうえに、炊き上がりのムラを抑えてくれます。

 

:熱伝導率が高いのに加えて、遠赤外線の効果によって内釜を効率良く加熱する素材です。銅と同じく、ムラを抑えつつ短い時間でお米を炊き上げてくれます。

 

土鍋:蓄熱性が高い上に、遠赤外線の効果も期待できる素材です。ゆっくりと熱を伝えるので、炊飯過程でしっかりとお米を蒸らすことができます。炊き上がり後に冷めにくい点も魅力です。

5.内釜の構造

内釜の構造によってお米の炊き上がり方はもちろん、内釜の扱いやすさも変わってくるので注意が必要です。

 

厚釜:一般的に厚さ2.3mm以上が厚釜と呼ばれており、蓄熱性に優れているので、お米全体をムラなく炊き上げることができます。

 

多層釜:複数の素材を使用することで、内釜が層のようになっているタイプ。使用する素材は機種によって異なりますが、ダイヤモンドや銅といった、熱伝導性が高い素材を用いるのが一般的です。高火力を実現できるので、お米の芯までしっかりと熱が伝わります。

 

真空釜:内釜に真空の層を持っているタイプ。熱効率が高く、炊き上がり後に冷めにくい点が特徴。また、他の内釜に比べて軽量なので、家事の手間を省きやすい。

6.機能

備わっている機能によって利便性が大きく変わってくるので、具体的にどのようなシーンで利用するのかを踏まえたうえで必要な機能を見極めておきましょう。

 

炊き分け機能

家庭によっては、炊飯器で炊くお米は白米だけではありません。無洗米や玄米、胚芽米を炊く家庭もあるでしょう。そのような家庭では、炊き分け機能が付いている炊飯器を選ぶと便利です。

炊き分け機能とは、お米の種類によって炊き方を変えられる機能のことであり、各お米をより美味しい状態で炊き上げることができます。銘柄を設定できる炊飯器もみられるので、普段購入するお米の銘柄が決まっている方は、そのような炊飯器も検討してみましょう。

 

硬さを選べる機能

お米の硬さにこだわりを持っている方は、硬さを選べる機能が備わった炊飯器を選んでみましょう。そのような機能が備わっている製品では、わざわざ自分で水を調節しなくても、好みの硬さに炊き上げることができます。

 

蒸気レス

炊飯時に蒸気が発生しない方法です。蒸気を出さないことで、内釜の熱を長時間持続することができ、お米本来の旨味をしっかりと閉じ込めます。炊飯時のにおいも気にならなくなるので、子供や妊婦のいるご家庭で重宝するでしょう。

 

コンパクトサイズ

炊飯器は意外に置き場所に悩まされやすい家電です。キッチンのデッドスペースをなくしたいのであれば、コンパクトサイズの炊飯器がお勧めです。内釜の容量を確保しつつ、全体をコンパクトにした製品もみられるので、大容量の炊飯器を検討している方もコンパクトサイズの炊飯器を一度検討してみましょう。

 

パンを焼く機能

お米だけでなく、パンを焼ける製品もみられます。発酵から焼く工程までを炊飯器は行ってくれるので、パン生地を作れば後は時間が経過するのを待つだけです。誰でも簡単に扱える機能なので、子供と一緒にパン作りを楽しむこともできるでしょう。

 

エコ炊飯機能

消費電力を抑えながらお米を炊き上げることができます。月々の電気代を節約できるので地球だけでなく財布にも優しい機能です。

 

スマホとの連携機能

近年増えてきているのがスマホとの連携機能が備わった炊飯器です。スマホと連携することにより、専用アプリで選んだレシピを炊飯器に登録でき、最適な炊飯方法を炊飯器自身が判断してくれます。調理の幅が増える上に時短にもつながる機能と言えるでしょう。