日本の食料事情

日本で消費する食料は、国内で生産される農畜産物だけでは足りず、多くの農畜産物は外国からの輸入に頼っています。自国の食料を他国に委ねている現状は危機的な状況といっても過言ではなく、自分たちの国を守る安全保障上の大きな脅威となっています。

自分の国で消費する食料のうち、自分の国でどのくらい生産しているかを割合で表すものとして「食料自給率」という言葉があります。式で表すと「食料自給率=自分の国で生産している食料÷自分の国で消費する食料」となります。最近のデータによると日本の食料自給率は38%で1960年の79%から減り続けています。牛、豚、鶏を育てる飼料も外国からの輸入に頼っていますので実際の日本の食料自給率はもっと低いともいえます。

資料:農林水産省「食料需給表」等

※日本は2018年度(概算)、韓国と台湾は2017年、それ以外の国は2013年の数値です。

資料:農林水産省「世界の食料自給率」

自分たちの食料は、自分たちの国で作るように努力することが大切です。日本では、2025年度までに食料自給率(カロリーベース)を45%に上げることを目標としています。

資料:農林水産省「食料需給表」等

穀物自給率(2013年)になると日本は28%しかありません。オーストラリア、カナダ、フランスといった穀物生産大国からの輸入に頼らざるを得ない状況です。

生産品目別食料自給率

生産品目 自給率
97%
小麦 12%
蕎麦 21%
大豆 6%
牛肉 36%
野菜 77%
飼料  25%

表のように米の自給率は97%ですが、小麦や大豆など自給率のかなり低いものがあり、生産品目により異なっているのが現状です。また、日本の人口は減少し続けていますが、世界の人口は増加し続けています。加えて、世界的な温暖化の影響による天候不順で日本ばかりでなく各国の食料生産量が大きく影響を受けるリスクが顕在化しています。

従って、日本の食料確保が他国からの輸入に頼らざるをえない状況は大変危険といえます。特に食料自給率の低い品目の生産が重要なカギを握っています。食料自給率を上げるために、生産者は、消費者の好みに合わせて生産し、消費者は、国内でとれる農畜産物をしっかりと食べて食べ残しを減らす努力をすることが必要です。

 

外国から輸入されてくる農畜産物は必ずしも安心安全と言い切れないものが含まれています。遺伝子組み換えの大豆や、日本では禁止されている発がん性のある成長促進剤を投与された牛の肉が流通しているなどがその一例といえます。

私たちが住んでいる土地には、その気候や地形などの環境に適した食べ物が育ちます。熱帯には熱帯の特徴があり、寒帯には寒帯の特徴があり、私たちがほしいままに他国・他帯のものを食していたらどうなるのでしょうか。これは実はとんでもない人間生理の破壊になることが次第に判明してきています。人間はなるべく生をうけたところの、大きくなってからでもいつも住み慣れた地域の、季節のものを食するのが一番の真実だと思います。

ひとりひとりが地元でとれる食料を食べることが食料自給率を上げ、ひいては自分自身の健康に害のない安心安全な食事をとることにつながる天道となります。

都道府県別食料自給率(カロリーベース)※2017年度概算値

北海道 206% 栃木 68% 石川 47% 滋賀 49% 岡山 37% 佐賀 93%
青森 117% 群馬 33% 福井 66% 京都 12% 広島 23% 長崎 47%
岩手 101% 埼玉 10% 山梨 19% 大阪 1% 山口 32% 熊本 58%
宮城 70% 千葉 26% 長野 54% 兵庫 16% 徳島 42% 大分 47%
秋田 188% 東京 1% 岐阜 25% 奈良 14% 香川 34% 宮崎 65%
山形 137% 神奈川 2% 静岡 16% 和歌山 28% 愛媛 36% 鹿児島 82%
福島 75% 新潟 103% 愛知 12% 鳥取 63% 高知 48% 沖縄 33%
茨城 72% 富山 76% 三重 40% 島根 67% 福岡  20%    
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