大豆の栄養・「畑の肉」の理由

大豆は、その栄養価の高さから「畑の肉」とも呼ばれています。大豆には良質なたんぱく質をはじめとして、ミネラルやビタミン、食物繊維など、様々な栄養分が含まれています。まず、大豆(国産・黄大豆・乾燥)100gあたりの主な成分をご覧ください。

エネルギー 422kcal カリウム 1900mg
水分 12.4g カルシウム 180mg
たんぱく質 33.8g マグネシウム 220mg
脂質 19.7g 鉄分 6.8mg
炭水化物 29.5g ビタミンB1 0.71mg
灰分 4.7g ビタミンB6 0.51mg
食物繊維 17.9mg    

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

 

上記の成分表のとおり、たんぱく質が全体量の約1/3を占めています。この量は、魚や肉でも寄せ付けないです。

他の食品の100gあたりのたんぱく質含有量は、下記のとおりです。

・まぐろ(赤身) 26.4g

・鶏(ささみ)  23.0g

・豚肉(ヒレ)  22.8g

・プロセスチーズ 22.7g

・牛乳(特濃)  3.5g

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

 

たんぱく質は、20種類のアミノ酸からできています。その中に、人が体内で作り出すことのできない必須アミノ酸といわれるものが9種類あります。

※必須アミノ酸

イソロイシン、ロイシン、リシン(リジン)、含硫アミノ酸(メチオニンとシステイン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニンとチロシン)、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン

 

大豆の必須アミノ酸は、とてもバランスよく含まれています。このことから、大豆の持つたんぱく質は、バランスの取れている良質なたんぱく質と言われています。

 必須アミノ酸 大豆 豚肉(ヒレ) ほうれん草
イソロイシン 1700mg 1000mg 610mg 81mg
ロイシン 2800mg 1800mg 1000mg 140mg
リシン(リジン) 2300mg 1900mg 890mg 110mg
含硫アミノ酸(メチオニン) 510mg 590mg 390mg 35mg
含硫アミノ酸(システイン) 580mg 250mg 300mg 29mg
芳香族アミノ酸(フェニルアラニン) 2000mg 870mg 630mg 100mg
芳香族アミノ酸(チロシン) 1300mg 780mg 550mg 77mg
トレオニン(スレオニン) 1500mg 1000mg 580mg 86mg
トリプトファン 490mg 280mg 180mg 41mg
バリン 1800mg 1100mg 760mg 110mg
 ヒスチジン 1000mg 880mg 310mg 50mg

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

 

大豆の必須アミノ酸量は、ほうれん草より豚肉(ヒレ)に近い数値となっています。

大豆成分を調べていくうちに

・良質なたんぱく質を含んでいること

・その組成が、より肉に近いこと

この2つが分かったことで「畑の肉」と称されるようになりました。