乾麺をおいしくいただくには

乾麺の正しい茹で方

 乾麺を台所で茹でながら「これも一応、蕎麦だから・・・」と自嘲気味につぶやいたりしていませんか。乾麺は一応ではなく、立派な蕎麦・うどん・そうめんなのです。乾麺を「一応は蕎麦・うどん・そうめん」と認識されている方も、乾麺の本当のおいしさを知ったら、きっと驚くでしょう。乾麺は、実は、とても美味しい食べ物なのです。

 乾麺をまずくする原因は、茹で方が適正でないところにあります。正しい茹で方をご存知でない方が、なんと多いことでしょう。乾麺の味というと、芯が残っていて、粉っぽい味がして、店で食べる蕎麦とは似ても似つかない味だと思っている方が多いのですが、それは「茹で足りない乾麺」を食べているからなのです。きちんと茹でた乾麺を味わっていただきたく、乾麺の正しい茹で方のポイントを以下にご紹介します。

 

大量の湯で、一人前くらいの少量の乾麺を茹でること

必要な道具は、3リットル以上は入る大きな鍋です。これが必需品です。なければ、この際、ホームセンターで買いましょう。その鍋に八分目ほどの水を入れて沸騰させます。ここが大切です。乾麺を茹でるには、沸騰を維持することが、とても重要なのです。温度を下げてはいけません。ずっと沸騰させ続けてください。沸いている大量の湯の中を、少量の乾麺がぐるぐると泳ぎ回っている状態が正しい茹で方です。この状態を指定の茹で時間いっぱいまで保ったなら、乾麺を引き上げて、水道の水で洗います。手早く水切りをしたら、ざるに盛って完成です。

二回、三回と茹でると湯が濁ってきます。その場合は、どんどん新しい湯と交換してください。ここでケチるとまずいそば・うどん・そうめんを食べなければならない結果に直結します。いつも湯と麺の量を理想的な状態に保って茹でていただくのがポイントです。

茹でた麺の正しい盛り付け方

おいしく食べるためには、まず冷水を用意します。できれば氷水が良いでしょう。麺が茹で上がったら、鍋の茹で汁は捨てずにそのままにして箸などを使って麺だけザルにあげて、そのまま氷水に入れてザルに軽く押し付けるようにして麺のぬめりを洗います。水道の水などでしっかりと最後は洗い流したら、ザルに入れてしっかりと水を切ります。この水切りをしっかりやらないと、麺が水を吸って早く伸びてしまう原因となります。また、水を勢いよく切ることで麺がシャキッとする効果もあります。

 

ざるそばの場合はそのままザルに盛りつけますが、かけそばの場合は捨てずにとっておいた茹で汁に一旦入れて温め、再度ザルに入れてしっかりと湯切りして、丼に入れてつゆを入れれば完成です。

 

冷水で洗うことでぬめり、臭みがとれるだけでなく、麺がシャキッと締まり歯応えとのど越しが良くなるわけです。

 

他にもネット上では乾麺を常温の水に5分ほど浸してから茹でるなどの裏技が書かれていますが、これも効果あり。発想としては、乾麺も元々は生麵。その生麵の状態に戻すということです。

おいしい蕎麦つゆの作り方

市販の麺つゆを買ったら辛味大根を買いましょう。辛味大根がなければ普通の大根でも結構です。蕎麦を冷たい盛り蕎麦として食べるとき、蕎麦つゆの中に、この大根おろしの、できれば辛さの強い部分(大根の下の方、先の尖った方)を、たっぷりと入れて食べていただきたいのです。まるで魔法のように蕎麦の味が変わります。是非、試してみてください!

 

岩手では、遠野の上郷暮坪地域にだけ生育する「暮坪かぶ」があります。これをおろして薬味にした蕎麦を「暮坪そば」と言います。姿は大根だが葉はれっきとした「蕪」なのです。400年ほど前、天正時代に近江の薬売り弥右衛が遠野に伝えたとされています。辛味大根の一種ですが、尖らず丸みのある辛味で、蕎麦との相性は抜群です。

 

「怒りながら大根をおろすと辛くなる」という言い伝えがありますが、これは本当らしいです。辛味の成分である「インチオシアネート」は、そのまま大根の中に存在するわけではなく、大根を切ったり、おろしたりする際に細胞が破壊され初めて化学反応が起こり生成されます。細胞を効率よく破壊するには「おろし金」に垂直に一気にすりおろすのが良いです。先端ほど辛味が強く、皮付きのまま、おろし、5分くらい経ったものが最辛と言います。

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