大寒

大寒は、二十四節気のひとつです。二十四節気とは、一年間を24等分したもので、春分や秋分などもそのひとつです。太陽の動きによってその日にちが決まるため、大寒は大体、1月20日頃になりますが、毎年同じ日というわけではありません。2021年は1月20日(水)が大寒です。また、大寒は期間を示す言葉でもあり、その場合は1月20日頃から2月3日頃までをいいます。そして、2月4日頃に次の節気の立春に移ります。2021年は2月3日が立春なので、期間では1月20日(水)~2月2日(火)までが大寒ということになります。

 大寒という言葉から一年で一番寒い日だと考える方もいらっしゃると思いますが、実は日本の一年で一番平均気温が低いのは2月の始めあたりだそうです。これはなぜかというと、もともと、二十四節気という考え方は中国の黄河中流域で生まれ、日本へ伝わってきたためです。そのため、黄河中流域では最も寒い時期が大寒ということになりますが、日本では少し季節がずれているのです。

 大寒卵をご存知ですか?小寒の始まりの日(1月6日頃、2021年は1月5日)から大寒の最後の日(立春の前日、2021年は2月2日)までを「寒の内」といい、この期間に産まれた卵を「寒卵」といいます。2021年は1月5日(火)~2月2日(火)の期間に産まれた卵が寒卵になります。その中でも大寒に産まれた卵のことを「大寒卵」といい、子供が食べると身体が丈夫になり、大人が食べると金運が上がるとされ、縁起が良いものと言われています。大寒卵の場合、大寒の期間ではなく大寒の日に産まれたものということになり、2021年の場合は1月20日(水)に産まれた卵が大寒卵です。現在は品種改良によってニワトリは一年中卵を産みますが、昔は寒い季節に卵は産まなかったそうです。そのため、寒い季節に産まれる卵は大変貴重なもので、寒さに負けることなく産み落とされた卵には滋養があり、強運を持っていると信じられ、縁起物として扱われるようになったのです。現在もその風習は受け継がれており、大寒卵を使ったスイーツや料理が販売されています。

 天気予報などで「大寒」という言葉を聞くと一年で一番寒い日なんだと思う方も多いのではないでしょうか?大寒に産まれた卵は縁起物ということで、昔の人にとって、寒い時期の卵はどれほど貴重なものだったのでしょうか。現代のように一年中食べ物に困らない時代にいる私達には想像もできないです。品種改良によって一年中卵を産むことができるとはいっても、大寒卵の数は限られており、お店によっては予約をしないと買えないこともあるそうです。大寒卵を購入することができたひとは、自分の好きな食べ方でおいしくいただきましょう。